10年とリア充爆発
「リア充爆発しろ」
私が学生時代の頃からクリスマスが近づくとよく聞いた言葉だ。
大学時代、上京してすでに一人暮らしをしていた為ファミリマスもなく
友人(男)とガストでご飯を食べていた。
友人は山盛りポテトフライを頬張りながらクリスマスを友人と過ごすことの悲しさや、周りのカップルに負け惜しみ全開の恨み節を語っていた。
私はまだその頃ゲイを自覚しておらず、
モテるタイプでもなかったので
クリスマスを一人で過ごすことに何も疑問も寂しさも感じていなかった。
とりあえず、それっぽい同意はしていたが本心ではない。
正直、どうでもよかった。
なぜ他人の恋にそこまで執着をできるのだろうと思っていた。
あれから10年程経って、そんな思い出も遥か彼方だった今日この頃
私は北千住のマルイに買い物に来ていた。
ふと、混雑したエスカレーターを見上げると
20代前半だろうか、男性二人が手をつなぎお互いの髪を触り合ったり肩を寄せ合ったりしている。
とても楽しそうである。
その時、私の中に物凄い黒い感情が湧いてくるのを感じた。
アラサーになっても彼氏も経験もない自分、
それとは反対に未来に希望溢れる若者の微笑ましい光景。
惨めさと羨ましさで
とても腹立たしくなってきた。
その際、前述したクリスマスのときの友人のことを思い出した。
あの時…友人はこんな気持ちだったのか。
異性間の恋愛に関しては自分には関係ないが、同性なら話は別である。
当事者である。
この10年の間に自分はゲイだと気がついてしまったからだ。
もう、恋愛は他人事ではない。
私は10年経って、ようやく
「リア充爆発しろ」
という気持ちを知ることができたのだ。
早く、幸せも知りたい
かしこ