アラサーゲイ、がんばる。

アラサーゲイが頑張って生きてます。

ゲイが行く浅草(後編)

 

 

仕方がないので浅草の老舗、神谷バーで昼飲みをすることにした。

 


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神谷バーといえば電気ブラン。 

電気ブランとは明治時代に神谷バーが初めて出したブランデーベースのカクテルで、

当時電気が珍しかったこと、またアルコール度数が高くそのピリッとした痺れる感覚が電気に似てることからそのような名前になったそうだ。


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本来であればビールをチェイサーに飲むものであるが、今日はこの後岩盤浴に行く予定があったので控えめにした。

 

 

しかしながら、修学旅行感を味わいたいと言いつつ一発目から昼飲みをしていると考えると、すでに情緒もへったくれもない。

自然と昼飲みという選択肢が入る、時の流れは恐ろしいものだ


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以前来たのはコロナ禍前だった、賑わいのある店内はRPGに出てくる酒場のようで浅草の情緒も相まって雰囲気が好きだった

今日も人こそ少ないが地元の人達で集まっているのだろうか、そんな雰囲気もまた良いものがある。

 


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店を出たあとはそのまま雷門へ向かい

仲見世通りを抜けていった。

 

浅草寺できちんと参拝をするのはいつ以来だろうか、恐らく3、4年前そんなに前のことではない

以前は2度目の転職活動をしており仏にすがる思いで訪れたのを覚えている。

その後就職した会社も結局転職することになるのだが。

 

逆に中学時代の自分は何を願ったのだろう、思い出せない。

きっと何かしらあったのだろうが、十数年経って思い出せない程度の悩みだろう。

 


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今日は迷わず素敵な出会いがありますようにと願った、十数年後には素敵なパートナーがいて思い出せない悩み…になっていてほしい。

 

その後、日本一今日が出やすいと有名なおみくじを引いた、私も過去に凶を引いた記憶しかない。

しかし、結果はなんと吉だった、願い事が叶うということも書いてある。

 


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ここまでストレートに良いことが書いてあると色々期待をしてしまう。

十数年後の幸せに向けて幸先の良いスタートをすることができた…のだろうか。

 

 

その後仲見世通りを戻り、

ジーパイで有名な「安心や」を訪れた。

 


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果たしていつからできたのだろう

記憶が定かではないが最近浅草に来るといつも並んでいて人気なお店なのがわかる。

 

私もジーパイを購入し、飲食スペースでいただくことにした。

私以外、全員カップルであるがおみくじの結果が良かったせいか少し強気な気持ちでいた。

 


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ジーパイを食べていると鳩が数匹寄ってきた。

中学校の頃、せんべいを食べていたら鳩に襲撃された思い出が蘇る。

時代が変わり、せんべいからジーパイに変わったが変わらないものがここにある。

食べながらそんなことを思いながら鳩の襲撃をかわしていた。

 


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そして最後の目的地隅田リバーウォークへ

ここ数年でできたスポットである。

 


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京都の渡月橋とはいかないがもし、これがBLなら主人公が積年の思いを伝えられるシーンに使われるのではないだろうか

 


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もし私に相手がいたとして

ここで「ずっと好きだった」と伝える、

そのタイミングで電車が横を通り、

彼に「何聞こえないよ?」と言われて

2回目が言い出せなくて…

なんて理想のBL展開を妄想してみたりする。

よくよく考えると妄想の中ですら幸せになれていない。

 


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おみくじの結果が良かったので、

もしかすると何か景気の良い何かがあるかもしれない…と少々期待したが、当然のごとく何もなかった

 

ロマンティックなシチュエーションも

アラサーシングルの男の前にはただの橋である。

天気の悪い隅田川の色がより暗く見えた。

 


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浅草旅、トータル2時間ほど正直旅というスケールのものではない。

中学校の頃はもっと大きく感じたものだが不思議である。

もっと懐かしさや色々な思い出が蘇ってくることを期待したのだが、蘇ってきたのは鳩に襲われた記憶だけだった

 

 

今日のことは何年かして全く思い出せない記憶になるのか、この日を境に人生が変わったんだよなぁ…と振り返る歴史的な日になるのか。

なんとなく、前者のような気がするが自分の中に何かしら残る日になれば良いなと思う。

 

最後に1つ、不安に思ったことがある

修学旅行的な思い出を辿っても

鳩に襲われた記憶以外のことを思い出せなかった自分は

恋愛補正のかかるシチュエーションを持ってもロマンチックなことができないのかもしれない。

 

今後はもっとロマンチックにアンテナを広く持って意識的に行動を起こさねば!と少し自分に戒めることにした。

 

 

 

かしこ